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spacer_06pix.gifSUMiZ 磯子ジオフロント……………………暮らし心地の重層設計

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きびしい建築条件と理想の立地環境、
そこに、最大の顧客利益をもたらす
「解」とは?



■「この敷地に建てたいのですが」、
どんな設計を提案されますか? と、クライアントのI氏に問われました。
磯子の丘の頂上近く、その斜面を造成した開発宅地。眼下に、緑が多く残る谷あいの住宅地、その向こうに根岸、東京湾。緑と海がパノラミックに広がります。
クライアントの最優先事項が、「この眺望を最大限に活かした、カーテン不要の、開放的な家」でした。
そう簡単にクリアできる目標ではありません。
第一種低層住専で、建ぺい率40%、容積率80%と建築条件がきびしく、この127㎡の敷地に、工夫のない設計をしてしまうと、この環境の魅力を、増幅できないばかりか、削いでしまうからです。

傾斜地ゆえに、隣地に家が建っても、2階からの眺望は遮られないので、そこに"Family Dining"とリビング、東面から南面に連続するパノラマウインドウを設けました。
IHクッカーと床下排気換気扇がビルドインされた、広々としたダイニングカウンター、およびキッチントップには、天然の御影石を奢りました。
DSC_2811.JPG■クライアントのご希望通り、「眺望を活かし、カーテン無しで、開放的に暮らせる住まい」としたDSC_2828.JPG■2台の駐車スペースともなるアプローチ。梁にグレーチングを敷き、デッキに

質感美観はもとより、堅牢、傷つきにくく、衛生的。耐水性も高いので、パンを捏ねる、そばを打つ、など作業台としても優れ、奥様はそこで、ご家族に背を向けず、リビングに向かって、パノラマウインドウの向こうに広がる、空、緑、海を眺めながら調理できます。

北面にはリビングと連続するデッキを設けました。とはいえグレーチング床で
DSC_2340.JPG■2F、"Family Dining"に続くリビングとパノラマウインドウ。吹き抜けにルーフデッキへのアプローチDSC_2428.JPG■ダイニングカウンター天板は25ミリ厚の天然御影石。 IH クッカービルドイン

──格子状で取り外しできるので──床面積として計算されません。
このデッキ、アマゾンジャラのルーバーでプライバシーを確保し、さらに、丈夫なファブリック製の、収納式の天幕を設けたので、雨の日でも、ここで本を読んだり長椅子で午睡したり、"Airy"な時間をもてます。
クルマにたとえれば、ソフトトップ・コンバーチブルなリビングですね。
DSC_2495.JPG■吹き抜けの一部にロフトを設け多層化。奥様が裁縫室としてご使用予定とか。写真左はルーフデッキアプローチDSC_2845.jpg■磯子の丘、緑が多く残る谷あいの住宅街のむこうに東京湾がひろがる

さらに、このロケーションなら、空にカラダを投げ出せるといいますか、開放的なルーフデッキは不可欠と考えました。
吹き抜けにロフトを設け、(奥様は裁縫室にしたいとのこと)そこから、ルーフデッキに続く、グレーチングの通路を渡しました。
つまり、2階建てながら、フロア構成を実用上4層とし、家の機能と快適さを高めました。
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「眺望を活かし、開放的に」
というリクエストに、
これほどの解答が与えられるとは


■施主のI氏は、都心の損保会社にお勤めの42歳。
会社が社宅として借り上げた、横浜山手の一軒家にお住まいだった。
生涯初の、家を建てるにあたり、カーテン無しで、のびのび開放的に過ごせること、を最優先事項とした。2年住んで気に入った山手周辺で土地を探し、この開発造成地を見つけた。
が、すぐには購入しなかった。
プライバシーを保ちやすい傾斜地の上部であり、磯子の丘陵の向こうに東京湾、の眺望と理想に近かったが、
建築条件が厳しく、住宅設計が平凡だと、せっかくのこのロケーションも活きない。宅地の購入を決める前に、立地の魅力をさらに高めるようなプランを得る必要があった。
ある日、SUMiZ 逗子タウンビレッジ(page28)の広告が目に止まった。
通勤路の本牧に、ガルバの外装の、シンプルだがどこか惹かれる住宅があり、いつか、こんな家に住みたいと思っていたのだが、逗子の物件はその本牧の住宅に似ていた。
現地説明会で出会ったSUMiZ の建築家・諸我氏と話すと、
「その本牧の家も私の設計ですよ」

諸我氏に磯子の土地を見てもらい、プランを練ってもらった。
諸我氏だけではない。
DSC_8404.JPG■ホームシアター設備は、施工中に思い立って相談、発注。リアスピーカー配線用配管、プロジェクター天吊り金具など、柔軟かつリーズナブルに対応


大手ハウスメーカーや他の建築家にも提案を依頼した。
ハウスメーカーの案は、磯子特有の敷地条件にカスタマイズされたとは思えない、既製的なものだった。
他の建築家の案も、SUMiZ 諸我氏のそれに較べ、アイデア、周到さ、生活洞察力において、はるかに劣るものだった。
SUMiZ の提案は、2Fのグレーチングデッキ、そこにかかる収納式天幕、ルーフのウッドデッキ、30ミリ厚天然御影石のダイニングカウンタートップなど、漠然とした期待以上の、思いがけない贈り物、とさえ感じさせるものだった。
さらにたとえば、「室内からガレージのクルマが見える」という、ふたつめの希望を実現した、1Fの12畳の洋室。娘さんがひとりで、まだ4歳と幼いので、ここを、家族3人の寝室としている。この部屋、大収納可動式クローゼットでパーティションをつくることで、簡単に6畳+6畳の2個室にできる。
DSC_8100.jpg■キッチン、ダイニングテーブル、作業台……多用途な造り付けカウンターDSC_8278.jpg ■第一種低層住専のきびしい建築制限を、グレーチング利用等でクリア、住まいを立体的に使えるよう、実用上4フロア構成(1F、2F、ロフト、ルーフデッキ)とした

ふたりめのお子さまができ、かれらが成長したとき、リフォーム費用ゼロで、それぞれに子供部屋を与えることができる。それは一例だが、そのようにいちいち生活洞察が成されていた。

「ここは夜景もいいんですよ」とI氏。
根岸の新日石コンビナート、3本の煙突からでる炎がロウソクのように揺らめく。首都高を流れるクルマの灯、東京湾をゆく船舶燈……。
I氏、アルコールはまったく飲めない。
DSC_8240.JPG■せっかくのロケーション、「空に身を投げ出せる場所」を実現したかったDSC_8193.jpg■2Fのリビングに続くデッキ。床面積として算入されないグレーチングを敷設し、収納式天幕を設けた

が、入居の夜、これはビール抜きではゆくまい、と、ルーフデッキに上がり、ひとり祝杯を上げられたそうである。
SPEC= ■建蔽率/容積率:40/80 ■敷地面積:127.30㎡ ■構造:木造在来軸組工法2階建て ■建築面積:50.51㎡ ■延床面積:104.33㎡

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