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ひとつ売れ残っていた その宅地は、57坪、2000万円。 丘陵の急斜面を、ひな壇状に造成。 宅盤が、道路から5メートルも落ちていた。 ■30代初めの若いご夫婦、第一子誕生を機に住宅購入をご検討されていました。 ご希望は横浜市港南区周辺、ご予算3800万。 このご予算では、現実的には、マンションか平凡な建売りが対象であろうと、建築家設計の住宅なんて頭から検討対象外でした。が、縁あって SUMiZ にご相談いただき、クライアントともども土地を探索。港南台に候補地をみつけました。 が、この宅地、一般的に見ればとてもそこに家を建てようとは思えない。 丘陵の、開発分譲地。斜面を、ひな壇型に造成していますが、この区画はことに急斜面で、宅盤が道路から5mも下に位置しており、だから売れ残っていたのです。 敷地面積は189㎡ (57坪)、とはいえその2/3が法面ですが、約2000万円（2006年取得)。横浜市営地下鉄最寄り駅まで徒歩10分程度。周辺の平坦地でこの住まいを建てられる宅地なら、3800万の全予算でも買えないでしょう。 SUMiZ 建築家の諸我尚朗がこの土地を勧めたのは、道路から宅盤が──中途半端ではなく──5m落ちていたから。 |
 ▲パークスペースともなるエントランスはルーフに。ルーフ左はウッドバルコニー |
 ▲建築前の敷地。道路面と宅盤はちょうど500cmのレベル差がつまり、住まいのルーフレベルと道路面がほぼ同じで、そこを、駐車スペースかつエントラスとするプランが可能だったからです。この宅地、クセもありますが、魅力もあります。傾斜地だから東面は広く開け、日当たり、眺望良好。法面は小川に接し、北面には鎮守の森。 写真をざっとご覧下さい。 地上2階建て＋ペントハウス。延床面積91.92㎡。設計建築費用1800万、土地とあわせて3800万です。 予算内で、思いがけない、建築家の手による住まいを実現しました。 |
 ▲宅盤は、左上の道路面より5m落ちている。眺望、プライバシー、スカイファサード。むしろこの宅地だからこそ魅力的に  |
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SUMiZ は、担当建築家の手腕により、 敷地のクセを、むしろ魅力に転じます。 ■道路から続く、パークスペースともなるファサード。両翼は小波ガルバの壁で守られ、空だけが見え、非日常的。エントランスの左はペントハウスとそれに続くアマゾンジャラのルーフバルコニー。 階段を下りた2階は LDK と10.5帖の洋室。1階はバスルームと2室。 木造ながら、ルーフにパークスペースを設けているため、構造にも万全を期しています。強度を高めやすいキューブ（立方体）躯体。剛床構造。躯体中央に階段室を配して壁量を増やし、120mm角の柱を短いピッチで使用。パークスペース部分の梁スパンを1間半に抑えるなど。クルマが乗り入れても、ミシリとも鳴きません。 構造にはコストをかけましたが、合理的コストカットも徹底しています。天井、壁とも、構造用合板の現しで、一部クロス。フローリングは無垢のバーチ（真樺)。ダイニングカウンター、キッチンも（既製品ではなく）構造用合板でカスタムメイド。キッチン天板にはステンレスではなくアルミを使いました。 いずれも比較的安価な材です。仕上がりはゴージャスではありませんが、素材感が活き、シンプルかつ上質です。 |
   ▲外装はガルバリウム鋼板。内装に構造用合板現しを多用するなどコストカット。 しかし質素ではなく、質実・上質 |
| SPEC= ■建蔽率/容積率：80/400％ ■敷地面積：188.92㎡ ■構造：木造在来軸組工法2階建て＋ペントハウス ■建築面積：46.37㎡ ■延床面積：91.91㎡ |
