「私自身が欲しい家、
が市場になかった」から、
SUMiZ を興し、
自邸ももちろんSUMiZ で
■施主のG氏は、じつはSUMiZ のプロジェクトリーダーである。ご自身が自邸を建てようとしたとき、
「欲しい家が、市場になかった」
だから自ら、SUMiZ を立ちあげた。
G氏は、どんな家が、欲しかったのか?
●ありきたりなそれはイヤ。
●家や家具、暮らしかたにこだわりがある。
●が、ステイタスやブランド志向ではない。
●あえていえば、質実さ、合理性、フェイクではなく、本質を捉えていること、健康、自然志向……。
●30代で子どもがまだ幼く、予算に限りがある。
予算が潤沢であれば、有名建築家を集めてコンペさせればいい。
予算には限りがあるが、平凡な建売りでよし、とはしたくない……。 |
■開放された"Family Dining" は、半屋内・半屋内的で心地よい■隣家の視線をさえぎるコートハウスコンセプトが、かえって空の広さを強調する
ニッチかもしれないが、自分とおなじ思いの潜在的施主は──SUMiZ のお客様は──少なくないはずだ。
G氏は職業柄、多数の建築家を知り、仕事をともにしてきたが、SUMiZ のデザインは諸我氏(page22-23)と確信していた。
信念に従い、自邸デザインはもちろん、SUMiZ と諸我氏に委ねた。 |
■IHクッカー、床下排気換気扇等がビルドインされたダイニングカウンター■ウッドデッキに連続する1F の主寝室。巧妙な設計により、ここにもカーテンは不要
最初のディスカッションに、建築家は、A4用紙4枚ほどの「問診票」をもってきた。
家族構成やクルマの台数などに加え、「週に何回、家族で夕食をともにするか」「来客は多いほうか」「家に仕事を持ち帰ることはあるか」といった質問もあった。
注文住宅なので、いくらでも、希望したりディスカッションできたのだが、 |
■2F子供室。壁を1枚設けるだけで2個室に。易リフォーム性も万全■SUMiZ プロデューサーG氏(左端) 自ら最初の顧客となって検証
G氏、SUMiZ の起ち上げでそれどころではなく、奥様も育児で同様、結果、問診に答えただけでデザインを預けてしまった。
1週間後、コンセプトスケッチができた。
それはある意味、自己発見だった。
──そうか、私は、こういう暮らしを求めていたのか。
あとは竣工を待つだけだった。 |