住まいはきわめて日常性が 高いものだがら、逆説ではなく、 非・日常性を実現したい ■住まいは」日用品」の最たるものですから、安全で、機能的で、ランニングコストが低くあるべきです。けれどそれだけでいいのでしょうか。日々をご家族と過ごす住まいだからこそ、そこに非日常性や娯楽性があれば、それに勝るものはなく、なにより経済的(笑)です。 |
この O氏邸、眺めの良い南向き丘陵に立地。ひな壇上に造成され、古い石積みの上の宅盤(敷地レベル)は、道路よりほぼ一階高ぶん高くなっています。 こういう場合、一般には法面を切るなり掘るなりして駐車場をつくり、道路面から階段を設けて玄関にアプローチします。でもそれでは平凡で退屈な住まいになってしまう。前述、非日常性ほかを実現するため、敷地を間口3m幅で切り取り、構造建築士の協力を得、 |
π(パイ)字型の 頑丈な RCラーメンを打設。それを基礎とし住宅を載せました。 つまり、下駄履き……というと響きが悪いですね……RC のトンネル上に住宅が位置しています。トンネルは駐車場ではなく、駐車もできる、アプローチを兼ねた汎用スペースで、カスタムメイドの、7:3で観音に開く、無垢木材の頑丈な扉を設けています。人は、オートロックの「3」の扉で、クルマは「7」のそれを開けて出入りします。 |
扉を開けると、2車、縦列に駐めることができます。道路が狭く、付近にコインパーキングもないので、友人が来たときなどのために。 トンネルは北側に抜け、コンクリートの擁壁があり、その上に数本の樹が植栽されています。樹はふつうレベルで観ますが、この場合モグラのように半地下から見上げる「絵」になり新鮮です。そこに始まる外階段が住まいのエントランスに続きます。 |
■木造ながら剛床構造ゆえルーフ(ほぼ)全面バルコニー。丘陵立地なので、空がより広い | ■SUMiZ の例によって、キッチンもダイニングテーブルも、既製品ではなく専用設計 | ■DK よりリビング。開放階段から、奧の吹き抜けからも自然光が降り、明るく開放的 | ■1F ベッドルーム。正面の可動クローゼットのレイアウトにより、2個室にもできる |
SPEC= ■建蔽率/容積率:40/80 ■敷地面積:125.04㎡ ■構造:木造在来軸組工法一部RC造2階建て ■建築面積:46.36㎡ ■延床面積:110.58㎡ |