DESIGN FACTS
SUMiZ日野 朝日のあたる家 (2011年12月竣工)
■「環境」を活かすグランドデザイン
■躯体から建具まで専用設計。製作施工
■CPを高める合理性=SUMiZ STANDARD
まず描くべきは、
環境グランドデザイン
■住まいを計画するとき、まずグランドデザインを引く必要があります。立地環境に適応し、長所を強調し、短所をカバー、もしくは長所に転ずるプランを描くことです。
環境には2種類あります。
建築規制、隣家の状況などの社会環境。敷地の向き、日射、眺望などの自然環境です。


▶住まいが正対する、
東側の眺望が素晴らしい
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半屋内・半屋外的リビング=
インナーバルコニー

■横浜市内「朝日のあたる家」は、傾斜地をひな壇造成した分譲地に建てられました。
敷地が正対する東側の眺望が素晴らしく、東面を大きく開口、採光、通風、
エアリーなグランドデザインを描きました。その最たるものは、パブリックスペースである2Fに設けたインナーバルコニーです。屋内LDKに連続し、天井と壁はありますが、大きな開口部にサッシはなく、半屋内・半屋外的な空間。
晴天ならもちろん、雨でも雪でも。床材はアマゾンジャラ、
同じ材でテーブルを作りました。
「LDKはできるだけ広く、でもベランダも欲しい」という、あれもこれも要求ではなく、
「LDKは狭くなってもいいから、インナーバルコニーを」というクライアントの思いきりが、この「贅沢さ」を実現したのです。
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▲LDKに連続するインナーバルコニー
環境を活かした住まいは、実は稀れ

■自然環境を勘案し、活かした住まいの設計をする。
そんなの当然でしょ、と思いの方もおられるでしょう。しかし、日本の都市型住宅では、そう設計されているのは少数です。試しに、ご自宅近くのハウスメーカーや工務店の住宅を観察なさってください。それらは、自然環境を、充分に、合理的に活かしているでしょうか。


かれら既製品的住宅サプライヤーの多くは──注文建築と謳っているところも現実的には──、立地環境を活かすという発想を持ちません。セオリー通りに間取りを収め、エコ○○システムや○○耐震構造、外断熱やらをセールストークにします。
(らくに利益を得られますから)
もちろん良心的な業者もいるでしょうが、多くが、以前コラムで


書いたように、その住まいを買い、住まう、ご家族の視点に立っていないということでしょう。
考えてください。
この分譲地に住まいを構えるとしたら、眺望を、開放性を捨てる手はないですよね? 建築家に設計依頼すれば環境グランドデザインは成されるでしょう。かれがどこまで踏み込んでくれるか、いくらかかるかは別問題ですが。


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▲1F、2F、RFとも東側に広く開
環境から建具まで専用設計、
"ONLY ONE OFF" 製作施工
■その立地環境を活かすカスタマイズをし、あなたのご家族仕様にカスタマイズします。
この例では1Fをプライベートスペース、2FをLDKとインナーバルコニーのパブリックスペース、そしてロフト(塔屋)とルーフバルコニーの3層としました。各層はそれぞれの生活シーンとリンクし、眺望、空の広さ、開放性も
変化します。
専用設計、ワンオフ施工製作なのは建築躯体に留まらず、建具、設備の多くに及びます。たとえばLDKのカウターキッチンやインナーバルコニーのダイニングテーブル。
既製品を導入するより手っ取り早く、素材やテイストも合い、ご家族の希望を、妥協なく実現できます。
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▲キッチン、デスク、書架、テーブル……すべて専用設計、カスタムメイド
30年スパンの
ランニングコストも「設計」
■「アフターケアとは、お施主様に余計なお金を使わせないこと」とブログに記したことがありますが、設計に際し、30年スパンのランニングコストも勘案します。
1FのスペースAは大きめのワンルームですが、将来お子さまが2人になり、就学したとき、パーティションを設けるだけで2個室になります。
同じく1F、カヤックや燻製づくりが
お好きなご主人のホビールーム。その床や壁は構造用合板です。部屋の機能として、仕上げ不要であり、かつ将来必要になったときは仕上げるだけ。イニシャルコストもリフォームコストも抑えます。
かなり先になりそうですが、ご両親と同居する予定で、そのために1F床下に、水道やガスの配管を延ばしています。これも同居時のリフォーム費を抑えるためです。
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▲1F SPACE A パーティションを設けるだけで2個室に
小さく緻密、
合理的な仕事でCPを高める


■環境から建具まで専用設計。"ONLY ONE OFF" 製作施工……はいいけれど、高価なんでしょ?
たしかに安くはありません。が、CPが高く、価格も、ご想像より(たぶん)リーズナブルです。たとえば、大手ハウスメーカーのそれより安価に仕上げることは充分可能です。
ひとつにはワークフローの合理化です。
SUMiZ 作例をご覧いただければおわかりのように、全棟共通性があります。
SUMiZ STANDARD、と呼んでいますが、キューブ躯体、木造剛床構造、無垢木材フローリングといった原則があるのです。構造が同じであれば施工効率、練度が上がりますし、多用するチークやジャラの無垢材も大量一括仕入れでコストを抑えています。
そして前述の合理的な施工、「小さな」ビジネスをして固定経費を
抑えること……。

あなたは、SUMiZ のテイストとかココロザシ(?)とかに可能性を感じ、このサイトをご覧になられていると思います。
コンクリート打ち放しでも、数寄屋風の和風住宅でも、建てろといわれれば建てられますが、SUMiZ ではやりません。CPを維持できないからです。
つまり、SUMiZ STANDARDは、選択制限ではなく、ご家族にもたらすメリットなのです。

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▲ロフト(塔屋)とルーフバルコニー。空が広い

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